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クリニックからのお知らせ一覧  子宮頸がんワクチンのジレンマ 救えるはずの命が救えない

 


 「ジレンマ」つまり二つの選択肢があって、迷い決められない状態がこの5年すぎてしまいました。子宮頸がんワクチンの啓発の宣伝が7年前の東日本大震災のときに流れていました。女優の仁科さん親子が出演していました。その頃「がんを予防できるワクチン」として大々的にキャンペーンをして、富士市でも助成を開始し、当院でも多くの10代女性にワクチンを接種しました。5年前には国が定期接種として子宮頸がんワクチンを開始しました。これまでに約338万人が接種をしています。でも、このワクチンを接種する人はここ数年ほとんど、いやまったくいなくなりました。

 定期接種開始後、子宮頸がんワクチンによる副作用かもしれないという学習機能低下やけいれんのある子供たちがマスコミで報道されました。ショッキングな映像だったため、私も覚えています。国は、ワクチンを「積極的接種勧奨の停止」という措置をとりました
。市民に、子宮頸がんワクチンの問診票を郵送するのをしないでください。ということです。定期接種はいまも続いています。そして様々な立場の方が、このことを検証しました。日本の産婦人科や小児科、精神科、神経内科の医師のみならず、世界保健機関(WHO)も。

 結論としては、科学的に日本でも世界でも、子宮頸がんワクチンによって学習障害やけいれんなどの副反応がでることはなく、推奨できるワクチンであることです。日本産婦人科学会もWHOも声明文を発表しています。

 子宮頸がんワクチンは思春期の女の子を対象に打つ初めてのワクチンです。そのため、ワクチン導入前から元々この年代に見られたけど、あまり知られていなかった学習障害や身体表現性障害(検査では異常ないけど心的なきっかけで現れる症状)、ワクチンを打った後にたまたま起きた別の病気がクローズアップされました。それがワクチンと結び付けられ、このワクチンに関する誤解が広がってしまいました。たとえば、とても良い子だった女の子がワクチンを接種した後に、たまたま思春期特有の反抗期になり親に「うるさい、うざいんだよ」と激高します。「この子、ワクチン打ったからこんな風になってしまったのでは?」と思う親御さんはいるかと思いますが、この反抗期は副反応ではありませんし、数年で収まっていくでしょう。

 私たち多くの医師は、科学と統計を重視します。公衆衛生的にみて、世の中でこの子宮頸がんで亡くなる方が年間3000人、新規に診断され子宮摘出する方が10000人います。またこの癌は「マザーキラー」と言われ、癌の好発年齢が20代から40代であり、まさに子育て世代に直面する癌なのです。このワクチンが普及している欧米では、子宮頸がんの原因ウイルスHPVの感染者の減少も実証されています。だから、多くの医師はワクチンの重要性を理解しています。

 ここでジレンマの話に戻ります。2016年にワクチンを被害を訴える人たちが日本政府と製薬会社に集団訴訟を起こしました。日本の訴訟は長く、おそらく10年はかかるでしょう。私たち医師も人間で、あの映像をみて、患者さんをみて かわいそうでたまらないのです。でも科学を統計を信じ、子宮頸がんという若い女性に襲いかかる病気をワクチンで守りたいのです。

 先日、日本でだけ子宮頸がんワクチンがまったく普及しない事態に疑問を思い、医師・ジャーナリストとして活動している村中璃子先生の「10万個の子宮と医師の責任」という講演を聞いてきました。村中先生はこう言いました「私たち医師は、患者さんに正しい新しい情報を伝えて、判断を見直す材料を与える責任があります。一年で一万個、これから10年で10万個の子宮が失われていくかもしれない。ワクチンを打たなくて、負わなくてもよかったリスクのある女性が一人でも減ることを祈っています。」

 当院では接種希望のある女性に子宮頸がんワクチンを接種しています。小学校6年生から高校一年生相当の子は定期接種であるため無料で接種できます。ご相談ください。

(この文章の一部は村中璃子先生の著書「10万個の子宮」を参考にしました)

・子宮頸がんワクチン接種は予約が必要です。フィランセにて問診票をもらいにいく必要があります。

 

 
 

 
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